(この記事は、2024年2月19日現在の情報をもとに作成しています)
こんにちは。ソーティ社会保険労務士法人です。
2024年4月から、労働条件明示のルールが変わります。
労働条件の明示事項に、新たに4項目が追加されます。
(後編はこちら)
会社には労働条件明示の義務がある
4つの変更ポイント
いつから、誰が対象か
これまでと何が違うのか?
雇用契約書の記載例
従業員と認識をあわせておくことが大事!
1. 会社には労働条件明示の義務がある
会社には、従業員に、労働条件を明示する義務があります。
労働基準法15条:使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
では、明示すべき労働条件とはなにか。
これは「労働基準法施行規則」の5条に定められています。
2024年4月から、この5条が改正され、ルールが変わることになります。
2. 4つの変更ポイント
労働条件の明示ルールには、以下4つの項目が追加されます。
(すべての労働者)
①就業場所と業務の変更範囲の明示
(期間の定めのある労働者)
②更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の明示
③無期転換申込機会の明示
④無期転換後の労働条件の明示
今回は、①についてご説明します。
(②③④(後編)についてはこちら)
3. いつから、誰が対象か
2024年4月以降に契約締結・更新をする、すべての労働者
※パートタイマーや契約社員、派遣労働者も含みます。
4. これまでと何が違うのか?
まず、前提として、雇用契約書には
「就業場所」「従事すべき業務」(業務内容)を記載する必要があります。
これは、前から変わりません。
これまでは「雇入れ直後」のみ記載すればよかったのですが、
2024年4月以降は、新たに「変更の範囲」も明示しなければならない。
ここが、前と変わったところです。
5. 雇用契約書の記載例~就業場所と業務の変更範囲の明示~
2パターン、具体例をご紹介します。
<例1>就業場所・業務に限定がある場合
▼就業場所
(雇入れ直後)東京本社
(変更の範囲)東京23区内
▼従事すべき業務
(雇入れ直後)経理
(変更の範囲)製造業務を除く当社業務全般
<例2>就業場所・業務を限定しない場合
▼就業場所
(雇入れ直後)東京本社
(変更の範囲)会社の定める事業所(テレワークを行う場所を含む)
▼従事すべき業務
(雇入れ直後)経理
(変更の範囲)会社の定める業務
6. 従業員と認識をあわせておくことが大事!
今回の改正で、変更範囲を明示することになりました。
「将来的にどのくらいの範囲で異動があるのか?」
「どこに行く可能性があるのか?」
従業員と会社とで、イメージにギャップがあると、トラブルの元になってしまいます。
雇用契約書に明示することに加えて、
普段から適切にコミュニケーションをとり、
従業員と認識を合わせておくことが何より重要ですね。
労働条件明示の残り3つについては、次回詳しく見ていきます!
(今回は前編です。後編はこちら)
厚生労働省「2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?」